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企業成長を実現する人事制度の設計とは?
具体的な手順と注意点を紹介

組織設計・人事評価制度

人材育成や企業の成長を図るうえで、人事制度は非常に重要です。しかし、公平な評価尺度を持つ制度を設計することは容易ではありません。そこで本記事では、人事制度を設計するうえでの手順を紹介するとともに、そのポイントを9つのステップに分けて解説します。

人事制度設計の悩みを解決するためには

人事制度は企業の方針を共有し、その方針にのっとった人材育成や従業員のモチベーション向上を図るなど、企業が成長していくうえでの重要な仕組みとなっています。
しかし、実際に人事制度を設計する際には、ノウハウがないためどのように進めればよいかわからないといった悩みが生じているケースが見られます。そこで以下では、そうした悩みや解決する方法を紹介します。

人事制度設計でのよくある悩み

中小企業においては、マネージャー層の育成や従業員のモチベーションに対する課題を抱えているケースがよくあります。「次世代幹部候補育成につながるような制度を構築したい」「公平な評価を実現して従業員のモチベーションが上がるような制度を構築したい」という悩みを持つ企業も少なくありません。
従業員に対し、人事制度を通じてどのようなメッセージを発信したいか、またどのような尺度が適切かなど、課題は尽きません。

人事制度設計は手順に沿って行うことが重要

人事制度の設計は、どこから着手したら良いのかがわかりにくく、「自分たちで行うのはハードルが高い」と考えがちです。しかし、手順に従って一つずつ構築していけば自社で設計できるため、正しい手順を把握することが重要です。
基本的な手順は、「準備」→「設計」→「運用」となります。

次章では「準備」→「設計」→「運用」の手順を細かく分類し、それぞれの進め方と注意点を紹介します。

人事制度設計の9つのステップ

人事制度設計のステップは、前述した「準備」→「設計」→「運用」の手順をさらに細かく分けて、次の9つに分類できます。
最初の「準備」段階では、「①企業理念の再確認」「②ありたい組織の姿、人事戦略の確認」「③課題の現状把握」を行います。
次の「設計」段階では、「④等級制度の設計」「⑤評価制度の設計」「⑥報酬制度の設計」を行います。
最後の「運用」段階では、「⑦制度の明文化とリーガルチェック」「⑧従業員への説明」「⑨制度の導入と定着化」があります。
では、それぞれのステップを1つずつ見ていきましょう。

1 企業理念の再確認

最初にやるべきことは、企業理念の再確認です。
人事制度とは、企業理念を人材マネジメントの観点から制度化したものであるため、制度設計に入る前に企業理念を確認する必要があります。言い換えれば、社長の思い描く企業のビジョンとそれに対して妨げとなっている要因を確認し、共有するということです。
人事制度には「根拠」が必要ですが、その根拠を提供する土台として企業理念が重要だという点に注意が必要です。

2 ありたい組織の姿、人事戦略の確認

2つ目のステップは、ありたい組織の姿と人事戦略を確認することです。
企業が抱える課題として、人材が定着しないことやそもそも採用がうまくいかないことがよくあります。こうした問題が起こるのは、会社全体や各部署が思い描く組織像と、それを実現する人事戦略がうまく紐づいていないためです
企業理念を再確認した後、理念を実現する会社全体や各部署のありたい組織の姿と人事戦略を見直すことで、社長のビジョンから人事戦略までが一連のストーリーとしてつながっているかを確認しましょう。

3 課題の現状分析

3つ目のステップは課題の現状分析です。
これは企業が思い描くビジョンに対して現時点の実情がどうなっているのか、課題はどこにあるのか、といった点を抽出するプロセスです。すでに運用している人事制度を見直す際に重要となります。
その際、役職と賃金がかみ合っているか確認したり、業務を棚卸したりする必要がありますが、感覚的・主観的に行うのではなく、データを活用し客観的に行うことが重要です。

上記の3つが「準備」にあたります。

4 等級制度の設計

4つ目のステップとして、等級制度の設計を実施します。人事制度には等級・評価・報酬という3つの制度がありますが、等級は人事制度の骨子にあたる部分であるため、まずはここから設計していきます。
イメージとしては、その企業に求められる「あるべき姿」を設定し、現状を照らし合わせたうえで、従業員が目指すべきロードマップを作る流れです。その際、等級ごとに「求める姿」「習熟度」「責任」などを明記する必要があります。
また、多様化する従業員のライフスタイルやキャリアパスに対応し、優秀な人材を確保するため、柔軟な制度を設計することも重要です。

5 評価制度の設計

5つ目のステップは評価制度の設計です。
企業理念や現状の課題、将来的な事業方針・戦略との整合性を意識したうえで構築する必要があります。そのため、企業によって最適な評価制度は異なります。業務の棚卸を通じて理解した内容に照らして、評価項目の検討を一緒に行うことも重要です。

また考課フローとしては、従業員が自己評価を行い、考課者が評価する流れが一般的ですが、このステップの段階で社長がイメージを構築し、従業員が運用していけるか考えることが理想です。たとえば、評価項目を若い従業員はどの程度理解しているのか、といった点に注意が必要なほか、半期に1回のフィードバックの場合、社長はできると考えていても現場での運用が困難なケースもあります。
そうした場合には、あるべき姿の実現に必要な真の課題を突き止めた上で、あえて文章表現を簡潔にしたり、評価項目を減らしたりするような運用上の工夫が必要となります。

6 報酬制度の設計

6つ目のステップは、報酬制度の設計です。構築した等級制度や評価制度を、給与・賞与といった従業員への報酬へどのように適用していくのかを決めていきます。
具体的には、能力給のように能力に見合った制度にするのか、役割給や年俸制のように期待される役割に応じた制度にするのか、あるいは成果給や歩合制のように成果に見合った制度にするのかといったことを検討します。何に対して月給や賞与を支払い、何を評価基準として昇降給を決定するのかを再定義することも大切です。
また、明瞭な賃金テーブルがほしい社長もいれば、業績が落ち込んだ時のためにやや幅を持たせたテーブルにしたいと考える社長もいます。こうした社長の意向も踏まえたうえで、企業にとって一番マッチする報酬制度はどのようなものなのかしっかりと検討することが重要です。
その際、社内の状況だけでなく、景気動向など社会情勢も考慮する必要があります。

上記の4~6のステップが、「設計」にあたる手順です。

7 制度の明文化とリーガルチェック

7つ目のステップは、制度の明文化とリーガルチェックです。
等級・評価・報酬の各種制度は、文書によってすべての従業員に公平・正確に伝えなければなりません。その際、透明性を意識し、従業員が公正であると思える文書を作成することが大切です。
また、明文化した制度は、運用前に顧問社労士などに確認してもらい、法的に適正かどうかリーガルチェックを行う必要があります。
なお、制度変更の際、従業員に対して不利な内容に変更すると「不利益変更」とみなされる可能性があります。こうした法的リスクを避けるため、事前に専門家に相談して慎重に進めましょう

8 従業員への説明の実施

8つ目のステップは、従業員への説明の実施です。
リーガルチェックを経て法的な問題をクリアした後は、導入に向けて最初に従業員に充分な説明を行います。その際、従業員の理解・納得を得られるようステップを踏んで説明することや、従業員が制度を受け入れるまでにどのくらい期間がかかるか、といった点を見積もっておくことが重要です。

9 人事制度の導入と定着化

すべての準備が整ったら、いよいよ最後のステップとして制度を導入します。
「導入自体が済めば終わり」というわけではなく、導入によって企業が成長していけるように従業員の意識を変化させなければ成功とはいえません
そのためには、導入後も制度に課題がないかなどを定期的にチェックしたり、情報共有により制度の理解を促したりすることで、組織に制度を定着させる必要があります。
「上席者からのフィードバックまでを含めた運用ルールが順守されているか(ただ点数を付けて終わりになってないか)」「業績評価の評価尺度(ものさし)や行動(プロセス)評価の項目について、社員の納得感が得られているか」「一時考課者となる管理職層の目線合わせは出来ているか(部署や考課者によって、採点に大幅なブレや偏りが無いか)」などにも注意を払っていく必要があります。

上記の7~9のステップが、「運用」にあたる手順です。

適切なパートナーと進める人事制度設計

人事制度設計は上記のステップを経て行われますが、実際に設計するとなると、専門的な知識が求められます。そのため、専門知識を持つ適切なパートナーとの取り組みを検討することもおすすめです。

こうしたニーズにお応えするパートナーとして、きらぼしコンサルティングについて紹介します。

きらぼしコンサルティングによる「組織設計・人事評価制度構築支援」

きらぼしコンサルティングでは、人事制度構築に必要な内容をサポートしています。
人事制度定着のための研修(幹部研修含む)や考課者のフォロー・訓練など導入後の定着支援も行えるほか、人材紹介も可能です。
基本的には従業員への説明までを1ステップとして支援を行っていますが、現状分析から制度設計、制度の導入・運用など、定着までフェーズ別に支援できる点が強みです。

きらぼしコンサルティングの組織設計・人事評価制度構築支援に興味を持った方は、下記よりお問い合わせください。