事業承継を始めるまでに把握しておきたい、事業承継の準備と進め方

事業承継

事業承継を行おうと思っているものの、具体的にどういった準備をすればいいのかあまり理解できていないという方は少なくないのではないでしょうか。事業承継を行う際はコストがかかるというのはご存じの方も多いかと思いますが、事業承継には相応の準備期間をはじめ、考慮しなければならない項目が多数あります。この記事では事業継承を行う際の具体的な準備と進め方について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

お役立ち資料

親族内事業承継の手引書 -時期/進め方などの概要を解説-

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事業承継に必要な期間は5~10年

事業承継を始めるにあたっては、どれくらいの期間がかかるのか把握しておくことが重要です。事業承継は後継者さえ見つかればすぐに実施できるというものではなく、長い期間をかけて進めていく必要があります。

計画的に承継していくために、以下のようなスケジュールの作成をお勧めします。
出典:事業承継ガイドライン(平成28年12月 中小企業庁)

中小企業庁が公表した「事業承継ガイドライン」では、事業承継に必要な期間は後継者の育成も含めて5 ~ 10年とされています。そのため、ある程度の時間はかかることを理解したうえで徐々に準備を進めていかなければなりません。


次に、事業承継をスムーズに進めるため必要となる準備について解説します。

事業承継に必要な準備

ここでは、事業承継を行うにあたって欠かせない準備について解説します。

事業承継において、後継者の選定や育成が上手くいかず、廃業を選択せざるを得なくなってしまう経営者の方も少なくありません。ここで紹介する準備がしっかりとできているかどうかで、その後の事業承継にも大きく影響するため入念に行うことが大切です。

経営状況・経営課題の可視化

事業承継を行う際には、自社の経営状況・経営課題を見える化し、強みを明確にしたうえで引き継ぐことが重要となります。

経営状況・経営課題を明らかにすることで、自社の現状やこれから先の成長性を再確認することができます。その際、自社で展開している商品や技術などの経営資源の見える化を行うことも大切です。

これらの点を把握できていれば、自社の強みは何なのか、弱みを改善するためにはどういった対策が必要なのか、といった分析が可能となります。

事業承継を見据えた経営改善

自社の経営状況や経営課題、経営資源の可視化によって明らかになった部分をもとに、事業承継に向けた経営改善に取り組む必要があります。

事業承継はただ事業を引き継ぐだけでなく、後継者にとってその事業を引き継ぐことが魅力的に思えるよう、経営状態を良くしておくことが重要です。具体的には、業績の改善や経費の削減、さらには商品やブランドイメージの向上、金融機関や株主といった関係各所との関係構築、優れた人材の確保などがあげられます。こういった経営資産をよりよいものにしていくことがその企業にとっての強みとなりえます。

事業承継計画の策定

事業計画書を策定することで、承継後も経営の方向性がぶれずに進むことができます。事業承継計画は、自社の現状分析を行う以下の主なプロセスに沿って策定してください。

・ 今後の環境変化の予測と対応策・課題の検討
・ 事業承継の時期等を盛り込んだ事業の方向性の検討
・ 事業の中長期目標 (経営理念/方針、具体的数値目標)の設定

また、上記の点に加えて、事業承継を行うにあたっての課題整理も行う必要があります
ここまで解説したように、事業承継を行うための準備の中には、簡単に進められないものもあります。そのため、金融機関や専門機関など第三者機関へ相談することも 1つの手だといえます。

事業承継の進め方

後継者候補が決まり、承継を進めていく場合、大きく分けて 3つのステップを経る必要があります。ここでは、事業承継の具体的な進め方について解説します。

ノウハウの伝承

事業承継にあたっては、経営者がこれまでに築いてきた人脈やノウハウ等を後継者へ伝承する必要があります。具体的には、事業運営に関する知識や経験はもちろん、営業や財務、労務といった経営管理に関連する知見の伝承も必要不可欠です。これらは短期間で身につくものではないため、教育期間をしっかりと用意したうえで引き継がせる必要があります。ただ単に引き継ぐだけでなく、引き継いだ人がスムーズに事業を始められるよう、後継者教育を実施することが大切です。

ステークホルダーへの周知

ノウハウの伝承ができたら社員や取引先、金融機関といったステークホルダーに対して次期後継者に関する周知を行います。自社のトップとなる人物がどういった人なのか、取引先となる企業のトップは誰なのか、といった点はステークホルダーにとって大きな関心事の1つであり、事業承継後に良好な関係性を築くためにも非常に重要です。後継者が誰なのかわからないままだと、従業員が不安に感じ、モチベーションが低下する恐れもあります。こういった事態を避けるためにも、事業継承の周知は早い段階で実施する必要があります

経営権の移行

ステークホルダーへの周知が完了したら実際に経営権の移行を行います。移行にあたっては、株式や経営資産などの引継ぎを行われなければなりません。特に株式に関しては、分散してしまうと、会社に関する重要な決定を行えなくなる可能性があるため、事業承継後の経営を安定させるためにも後継者に集約させるべきだといえます。

 

きらぼしコンサルティングの「事業承継コンサルティング」

ここまで、事業承継を行うにあたっての準備から具体的な進め方などについて解説しましたが、事業継承は時間がかかり、経営改善や事業承継計画の策定など専門的な知識が求められるなど、決して簡単ではありません。そのため、事業承継を実施する場合、第三者機関のサポートを受けることをおすすめします。

きらぼしコンサルティングでは、事業を承継する際の経営上の課題を明確にし、経営権・事業・財産の3つの承継をバランスよく実施するために最善の進め方での支援を行なっています。以下の資料では事業承継の手引として、時期や進め方、ポイントについて解説しています。事業承継を検討している方、具体的な進め方などについてより詳しく知りたい方は、ぜひダウンロードしてみてください。

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