【M&A 戦略】
売却で失敗しないために”知っておくべき”重要なポイント

M&A

事業承継や譲渡などの M&A の実施を検討しているものの、どういった点に注意するべきか理解できていない経営者の方は多いのではないでしょうか。この記事では、 M&Aで失敗する要因を紹介したうえで、実施にあたって知っておくべきポイントについて解説します。 M&A に興味のある方はぜひ参考にしてください。

M&A後に計画時の業績予測を上回った売り手企業はわずか12%!

PwC が行った「 M&A 実態調査 2019 クロスボーダー M&A におけるシナジーの発言に向けて」によると、企業が買収を行った際、買収した企業の業績が「買収当時の計画を上回って推移している」と回答したのは 12 %でした。一方で、「買収当時の計画を下回って推移している」と回答したのは 36% でした。結果だけを見ると、当初の想定よりも M&A の結果が芳しくない企業は少なくありません。買収した企業や事業が思ったように業績を伸ばしていないケースが多くなると、企業は M&A に消極的になってしまう恐れもあります。



出典:PwC「 M&A 実態調査2019 クロスボーダー M&A におけるシナジーの発言に向けて」( 2019 年 6 月)
この資料の一部は PwC のデータ・情報を基に作成していますが、当該データ・情報の正確性・完全性等は保証されておりません。
また、PwC がきらぼしコンサルティングの提供サービスを推奨するものではありません。


これから売却を行おうとしている企業は、こういった当初の予想を下回る結果になることを避けたいと考えているはずです。そこで、初めて M&A を行う売り手側の経営者に向けて、 M&A に失敗してしまう具体的な要因について解説します。

M&Aを失敗してしまう要因3つ

ここでは、 M&A で失敗につながってしまう具体的な要因について解説します。 M&A を初めて行う企業は参考にしてください。

要因 1 : M&Aの目的や知識が明確でない

M&A を行う場合、その目的が明確になっている必要があります。例えば、新規事業や他事業のための資金調達、企業全体の利益率見直し、事業存続などが M&A の売り手の目的として挙げられます。M&A を実施する理由や目的が曖昧なまま行ってしまうと、買い手が見つかった後の交渉がスムーズに行かず買い手の信用を失ってしまうといった事態になりかねません。そのため、 M&A の目的は明確にしたうえで、正しい知識を基に M&A を進めていくことが重要です。

要因 2 :買い手が現れない場合がある

企業が M&A を行いたいと考えていても、必ずしも買い手が現れるわけではありません。市場の状況やタイミングによっては、買い手が見つからない場合もあります。こういった事態を避けるためにも、普段から自社の企業価値を高めるための取り組みを行うほか、 M&A の仲介会社の利用などが必要です。買い手に関しては自社の取り組みだけではどうにもならない部分もありますが、しっかりと準備を行っておくことで、良い買い手を見つけられる可能性を高めることができます。

要因 3 : M&A 検討中の情報漏洩

自社に興味を持っている企業がいたとしても、情報漏洩が発生すると希望価格での売却が難しくなるほか、最悪の場合売却自体が白紙になってしまう恐れもあります。 M&A 実施に当たっては、企業の詳しい情報を知るために「秘密保持契約書」を結ぶのが一般的です。そのため、特に M&A に関する話し合いを行っている最中の情報漏洩は避けなければなりません。


以上のことから、M&A の失敗を避けるために、売り手と買い手の双方が気をつけなければならないことがわかりました。次章では、売り手の準備が整った際に、良い買い手を見つけるための条件をご紹介します。

M&A に失敗しないためにも良い買い手を見つけることが重要

M&A を成功させるためには良い買い手を見つけることが重要です。ここでは、良い買い手の条件とは何か、またどのようにして見極めればいいのかを具体的に解説します。

良い買い手の条件

M&A を成功させるための良い買い手の条件として、以下のような点が挙げられます。

・ポイント 1 :自社の考え方に強い共感を持ってくれる
・ポイント 2 :自社の特徴をしっかり理解し、評価してくれる
・ポイント 3 :相手の経営者が信頼できる

買い手が自社と近い考えを持っている、自社の考え方に共感してくれることも大切なポイントです。買い手からの共感を得るためには、目的や意識を明確にすることが重要だといえます。ただ買いたいといっているのではなく、自社のどういった点を魅力に感じ評価しているのか、自社の特徴をどのように理解しているのか具体的である企業の方が買い手としては理想的です。そして買い手企業の経営状況や経営者が信頼できるかどうかといった点もチェックしておくことをおすすめします。
M&A を成功させるための良い買い手の条件には、これらのポイントを持っている相手を探すことが重要です。

良い買い手を見極めるためにはビジネスパートナーとしての視点が重要

良い買い手の条件については先ほど説明したとおりですが、相手が良い買い手に該当するかを見極めることは簡単ではありません。買い手としての質を見極めるにあたっては、ビジネスパートナーの視点を持ってチェックすることが大切です。具体的には、保証担保や従業員・役員の処遇、さらには前社長の処遇などを確認してみてください。これらの部分で気になる点があれば、本当に売却していいのか再度検討する必要があります。

M&A のご相談はきらぼしコンサルティングにお任せください

M&A の経験がない経営者が少なくない中で、親族でも役員でもない第三者に対して M&A を実施することは非常に労力がかかります。そのため、M&A の実施に不安を感じている場合は、専門機関のサポートを受けることをおすすめします。きらぼしコンサルティングでは、売り手もしくは買い手もしくは両方のアドバイザーとして、お客さまのメリットを尊重したうえで追及します。また、全国規模のネットワークも保有しているため、相手先企業を全国から探すお手伝いも可能です。 M&A を成功に導くための戦略立案から M&A の進行管理や条件交渉、クロージングの支援を行うため、一貫したサービスが受けられます。ただ単に会社や事業を売却するのではなく、売却後の持続的な成長を見据えた M&A を行いたい企業は、ぜひ利用を検討してみてください。

なお、きらぼしコンサルティングに関する詳しい情報は以下の URL から確認できます。こちらもぜひ参考にしてください。